東海カーボン 技術と信頼で未来に答えを

生物多様性

方針

東海カーボングループ生物多様性方針

東海カーボングループは、地球環境保全を経営における重要課題の一つと認識しています。グループで共有する「環境理念」・「環境方針」に則り、企業活動が生態系と生物多様性に与える影響に配慮することで企業活動と環境の調和に努め、持続可能な社会の実現に向けて、以下方針にて取り組みます。

  1. 影響・依存/リスク・機会の把握・評価

    当社グループの事業活動が生物多様性に与える影響と事業活動の生物多様性への依存の把握に努め、事業活動に係るリスク・機会を特定・評価します。

  2. 事業活動を通じたネイチャーポジティブへの貢献

    当社グループの事業活動が生物多様性に与える負の影響の回避・低減を図る一方、 製品・サービス等を通じた正の影響を増やすことにより、ネイチャーポジティブに貢献していきます。

  3. 教育活動の推進

    当社グループの役職員が生物多様性やその重要性について理解を深められるよう、適切な教育・研修を行っていきます。

  4. ステークホルダーとの連携

    従業員、お客様、お取引先、株主、地域社会等のステークホルダーの皆様と連携し、本方針に取り組みます。

  5. 情報開示

    本方針に基づく取り組みについて積極的に開示します。

2024年11月6日施行

取り組み

TNFD提言に沿った情報開示

当社は、従来より「地球環境との調和」をマテリアリティに掲げ、温室効果ガスの排出量削減をはじめ水使用量削減、廃棄物の最小化、各種汚染物質削減等に取り組んできましたが、 2023年9月に公表されたTNFD最終提言v1.0の内容を踏まえ、改めて当社事業における取り組みをTNFDの開示推奨項目に沿って整理しました。

■ガバナンス

当社では、取締役会が全社サステナビリティの取り組み状況や、生物多様性に関する内容を含むサステナビリティ関連リスクを定期的にモニタリングしています。取締役会傘下のリスク・コンプライアンス委員会では、気候変動リスクを含む当社に影響を及ぼす重要なリスクの評価を実施し、四半期毎に取締役会に報告しています。また、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会、カーボンニュートラル推進委員会では、カーボンニュートラルおよび生物多様性を含むサステナビリティ課題への取り組み方針の策定や目標の進捗等を討議し、四半期毎に取締役会に付議・報告しています。

■リスクと影響の管理

当社は、業務運営上の損失の危険を回避するため、経理・財務管理、取引先管理、輸出管理、環境・防災管理、品質管理、情報管理及び投資管理等に関連する規程・規則に則り、日常的なリスク管理を各担当部署が実施しています。また、原則四半期ごとに開催されるリスク・コンプライアンス委員会にてリスク及びコンプライアンスに関する重要事項について討議し、その結果を踏まえ、関係室部等に対する助言、取締役会他経営に対する報告・提言を行うことにより、リスクの把握と改善に努めております。リスク・コンプライアンス委員会は、気候変動リスクを含む当社重要リスクと、当該リスクへの対応状況について討議し、四半期毎に取締役会に報告しています。

■自然資本・生物多様性の戦略

当社事業における自然資本・生物多様性への依存・影響を把握するために、TNFDが提唱するアプローチに則り、分析を実施しました。

  1. 分析対象の選定

    各事業の自然資本・生物多様性への依存度・影響度を、自然リスク評価ツール(ENCORE)を活用し、評価した結果、カーボンブラック事業が依存度・影響度ともに相対的に高いことが確認されました。また、当社のバリューチェーンは、水資源に関連する生態系サービスへの依存度・影響度が高いことが判明しました。

  2. 依存・影響、リスク・機会の特定

    カーボンブラック事業の生産拠点から、生物多様性への配慮の必要性が高い2拠点を優先地域として特定し、同事業の製造プロセスに関連する依存・影響、リスク・機会、対応策を、TNFDが提唱するアプローチに則って分析しました。分析結果は以下の通りです。

  3. 【自然資本への依存・影響】

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    依存 カーボンブラックの製造・冷却工程では大量の水が使用されるため、水資源に依存している
    影響 カーボンブラック事業(自社操業)に伴う自然への影響は、温室効果ガス排出に加え、製造工程における排水、廃棄物、化学物質による大気・水・土壌汚染の影響が考えられる

    【自然資本に関連するリスクと機会】

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    リスク 対応(機会)

    ・自然環境の悪化に伴う自然災害発生リスク拡大

    ・水不足や水質汚染など、水資源に関連した物理的リスク

    ・工場の操業が工場周辺の自然環境を悪化させた場合、コミュニティーやステークホルダーからのレピュテーション悪化や訴訟のリスク

    ・自然関係の法規制強化が工場の操業に影響を及ぼすリスク

    ・CO2排出量削減

    ・水使用量削減およびリサイクルの推進

    ・NOx、SOx、VOC排出量削減

    ・産業廃棄物のリサイクル推進

    ・低環境負荷製品の開発

  4. 対応策

    リスクへの対応として、CO2排出量削減に加え、水使用量の削減や汚染物質排出量の削減等を通じて、当社事業活動が生物多様性に与える負の影響を回避・低減していきます。

■指標と目標

2024年度サステナビリティ目標として以下に取り組んでいます。

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項目 目標 対象
GHG排出量削減 2050年ネットゼロ、2030年のCO2排出量25%削減(2018年比) 連結
汚染の削減

・NOx排出量 3,400t/年以下 (基準年:2021年)

・SOx排出量 18,600t/年以下 (基準年:2021年)

・VOC排出量 280t/年以下

連結
環境クレームゼロ(大気・水質等) 連結
製品輸送時パッケージの30%を2025年末までに環境配慮型に Tokai COBEX
水使用量の削減 900万㎥(2021年の使用量)以下 連結
廃棄物の再資源化 リサイクル率50%以上 (基準年:2021年) 連結
持続可能な資源の活用 2024年中に、国内CB3工場でISCC PLUS認証取得 知多工場,石巻工場,若松工場

生態系の保全活動事例

各事業拠点では、地域の生態系保全に貢献すべく、様々な活動に参加しています。

■水を守る森林づくり活動(防府工場)

山口県農林水産部が主催する「水を守る森林づくり活動」に参加しています。企業活動に欠かせない工業用水の源である森林の整備を行い、水資源の保全に貢献しています。

水を守る森林づくり活動(防府工場)
水を守る森林づくり活動(防府工場)

■武豊町水門南臨海緑地クリーンアップ(知多工場)

知多工場周辺の緑地の清掃活動に参加し、環境美化に貢献しています。

■外来種の駆除による里山等保全事業(湘南工場)

里山の生態系を守るために必要な外来種の駆除を目的とした活動に参加し、生態系の保全に貢献しています。

外来種の駆除による里山等保全事業(湘南工場)

■米国ノースカロライナ州の水質保全へ貢献(TOKAI CARBON GE LLC)

地域の水質保全と生態系の保護を目的として、Charlotte-Mecklenburg Strom Water Services と連携し、表流水の汚染防止に取り組みました。

■小学生向け生態系ワークショップの開催(Tokai COBEX Group)

子どもたちに生態系の重要性を理解してもらい、環境保護への意識を高めるためのワークショップを開催しました。

小学生向け生態系ワークショップの開催(Tokai COBEX Group)
小学生向け生態系ワークショップの開催(Tokai COBEX Group)
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